5 映画 銀幕に酔う

邦画『突入せよ あさま山荘事件』

 薄い現実感 警察の縄張り争い前面に

(原田眞人監督、2002年5月)

 役所広司の主演であり、期待してビデオで観たが、いまふたつだった。

 立てこもった若者たちに現実感がないため、警察内部の滑稽な縄張り争いばかりが前面に出てきて、ほとんどコミックのようなタッチになってしまった。

 いちばんヤマ場になるはずの突入場面も、映像に恐怖を感じなかった。寒さも感じなかった。

 この手の話はやっぱり、権力側から描いちゃ、面白くなりっこない。

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