5 映画 銀幕に酔う

邦画『ピンポン』

多感な少年の窪塚 際立つ身のこなし 

 (曽利文彦監督、2002年)

 窪塚洋介が演じる主人公のピンポン少年がやはりいい。大きな口とくにゃくにゃした身体のこなしが際立つ。少年から青年へと急成長する時期の多感さをうまく演じている。もしかしたらあれは地かもしれない。

 観る前は、10年ほど前の周防正行監督の『シコふんじゃった』を思い描いていた。その卓球版かと思ってビデオを見始めたけれど、ちょっと違った。窪塚が持っている、いきいきとした手触りがそう思わせるのだろう。

 お正月前にレンタルビデオ店に行ったとき、妻が観たいといったので選んだ作品だった。ぼくには知識も期待もなかった。そのぶん余計に「もうけた」という感じが残った。

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