5 映画 銀幕に酔う

邦画『THE 有頂天ホテル』

役者・人間関係・科白 全開すぎて過剰感 

 (三谷幸喜監督、公開は2006年1月、MOVIX三好)

 ホテルを舞台にしたコメディー。次女が「むちゃ、おもしろかった!」と叫んでいたのに誘われ妻と観にいった。正直に言うと、ぼくにはやや期待外れだった。

 登場人物の演技も言葉も、過剰な感じがして、画面に乗っていきにくかった。出演者の顔ぶれが充実しすぎている。個性も演技力もたっぷりと備わった俳優たちを揃えすぎたのではないだろうか。

 筋立てでは多くの人間関係を詰め込みすぎのように思う。せりふも現実離れした唐突なトーンが多いように感じられて、観ていて疲れた。これがこの監督の持ち味、というのが正しいかもしれないけれど―。

 ぼくには前に観た『ラジオの時間』のほうがよかった。さまざまな方面で大活躍の三谷さん。ドラマやエッセイも含めて楽しませてもらっている。今回はちょっと張り切りすぎたんじゃないかなあ。

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