7 催事 肌感で楽しむ

鈴鹿F1グランプリVIP席

爆音 美酒 美女 欧州版「欲望すべて」 

  ( 三重県・鈴鹿サーキット )

 トヨタ自動車から招待されて、コース内側に設けられたVIP席「パドッククラブ」から観戦する機会に恵まれた。

(▲鈴鹿サーキットHPから)

 特等席からは、すぐ真下にあるパドックでのタイヤ交換を間近に見ることができる。コースで展開するつばせり合いも眺めながら、飲食を楽しむという贅沢。もちろん何から何まで初の体験である。

 もっとも驚いたのは実は、レースそのものではない。おもてなしだった。最初に出てきたシャンパンが上等なのはすぐにわかった。あとの白ワインも赤もボルドーの、おそらく最高級。しかもサービスしてくれるのはみな、欧米系の美男、美女ときている。

 死と隣り合わせのスピード、あらゆる存在を無にするかのような爆音、そしてクラッシュへの”暗い期待”…。そのかたわらにはVIP用の美酒と美食、ミニスカの美女たち…。

 欧州の上流階級や興行世界に根づいてきた「人間の欲望のすべて」がそろっている気がした。ローマのコロセウムでは、馬車レースを見ながらこんな光景が展開されていたのだろうか。

 われらが誇る日本の大相撲なら、さしずめ「弁当・酒つきの砂かぶり席」になる。ふたつの特別席から見える景色の差はなんと大きいことか。でも、どちらが上とか下というものではない。

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