5 映画 銀幕に酔う

仏映画『夏時間の庭』

絵画遺産を相続 3兄妹の葛藤 しぶい選択 

(オリヴィエ・アサヤス監督、公開2009年5月、DVD)

 絵画を含む膨大な遺産を大叔父が母に残した。その母もなくなり、その遺産を引き継いだ3人の兄妹の葛藤と選択がテーマになっている。

(▲イメージ)

 長兄は経営学者、長女は陶器デザイナーだ。二男は中国で事業を営んでいる。実家はパリから少し離れたところにあり、そこの庭ではよくパーティーを開いていた―。

 最終的には、遺品の美術品の多くはパリのオルセー美術館に寄付し、館内に展示されていく。孫たちが、売却前の家でパーティーを開いているところで映画は終わる。

 オルセー美術館の20周年企画として制作され、話題になったらしい。映画の最後に出てきて知った。

 しぶいなあ。明確な結論とか、押しつける価値観は出てこない。ハリウッド大作を見飽きると、こういう”大人の味”はしみてくる。

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