5 映画 銀幕に酔う

邦画『プール』

母娘がまったり タイの田舎の解放感

 (大森美香監督、2009年9月)

 なんとも、ゆったり、まったりの映画である。

 自由な母とその娘の交感が主題になるだろう。もうひとつの隠れた主題は、タイの田舎の解放感と、舞台になったゲストハウスの心地よさかもしれない。

 主人公の母親役の小林聡美、不思議なおばさん役のもたいまさこはともに『かもめ食堂』にも出ていた。ともに舞台は海外で、監督は女性。連作といってもいいのだろう。

 ぼくの好みから言えば『かもめ』かなあ。現地の人とのつながりがあり、ラストもすっきりしていた。『プール』にはそうした物語性はとぼしい。

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