7 催事 肌感で楽しむ

『ザハ・ハディド展』

強烈で突き抜けた個性 デザインも風貌も 

  (東京オペラシティ・アートギャラリー)

 恥ずかしながらというべきだろう。ザハ・ハディドという建築家の名前とデザインは、2012年の新東京国立競技場コンペ案で初めて知った。

▲会場パンフから

 自転車レーサーのヘルメットをほうふつとさせる流線形のアーチ。バクダッド生まれロンドン在住。ぼくより二つ上の女性…。驚くことばかりだった。

 コンペ当選案がザハ案に決まった後、その大きさや屋根開閉の必要性、斬新なデザインと周辺との調和などをめぐり、日本の建築界からも批判が出ているようだ。

 でもこの展覧会でザハのこれまでのデザインをたどると、国立競技場の提案はむしろおとなしい部類に見えた。特に初期の提案の奇抜さはすごい。彼女が「アンビルドの女王」と呼ばれてきたのもうなずける。

 写真の風貌も強烈だ。エキゾチックな中東美人でありつつ、目力とワシ鼻からは自信と自負心が沸き立っている。これって、独立したプロ中のプロの顔だ。

( ▲会場パンフから )

 建築家としてのデザイン力は、ぼくが判断できる水準を超えている。精神力や押しの強さはもっと常識外なのだろう。新国立案の実施設計を担う日建設計チーム、大変だろうが、がんばれ。

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