5 映画 銀幕に酔う

米英合作『ボヘミアン ラプソディー』

そうか 単に食わず嫌いだったんだ

 (ブライアン・シンガー監督、日本公開2018年11月)

 耳になじみのある曲が作られた経過を知るのは、いつも知的でわくわくする。そしてその曲が映画で流れると、もっと満足する。

 ミュージシャンの伝記映画はこれまで裏切られたと思ったり、がっかりすることはなかった。それでもこの作品は別格だろう。ぼくはクイーンの熱心なファンではなかったけれど、この映画は、たくさんあるミュージシャン伝記映画の中でもベスト3に入るだろう。

 フレディマーキュリーという伝説のミュージシャンがパキスタン系インド人であったことを知らなかった。彼の特徴ある歯が、とてつもない広域の声を出せる要素のひとつであったことにも驚いた。さらには名曲『ボヘミアンー』があんな形で生まれたなんて。事実は小説より奇なり、という手垢のついたフレーズが思わず浮かぶ。

  マーキュリーはぼくより6歳上で、バンドとしての活躍した初期はぼくが大学生だったころだ。かれらの全盛期にぼくは富山支局の地方記者だった。ぼくにとって英国のロックバンドといえば、なんといってもまずビートルズだったし、次いでストーンズだった。人気ではそれほど差はなかっただろうクィーンに、ぼくはなぜかそれほど目と耳が吸い寄せられず、同世代のバンドという意識も持っていなかった。

 でもこの映画を観て、彼らの楽曲とステージパフォーマンスの魅力に圧倒されてしまった。単なる食わず嫌いだったのだ。妻に誘われてプライムツリー赤池で観たが、そのことがわかり、楽しい時間になった。

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