1 ゴルフ 白球と戯れる

練習89日 ラウンド64回…「するゴルフ 2022」白球と戯れ 女神と対話

重ねた1.6万球 本番の5倍 平均スコア83.8

 年の瀬の12月29日、ホームコースの練習場で200球を打ち、ことしの「するゴルフ」を終えた。2022年はゴルフ場へ153回行き、練習だけが89回、ラウンドが64回だった。「週に2日練習、1日ラウンド」のペース。練習で打った1万6694球は本番ショットの5倍になり、平均スコアは83.8へとやや改善した。古稀の体をいたわりながら白球と戯れ、気まぐれな女神の声にも耳をすました1年だった。

■練習だけでもコースへ

 現役時はゴルフは土日しかできなかった。練習は自宅近くの打ち放しへ行った。リタイアしてからは平日も使えるようになり、練習のためだけでも車で40分のホームコース、東名古屋カントリークラブへ通っている。

 なにせ時間はたっぷりある。コース使用のボールを打てるし、時間制限はない。午前9時半を回ると、球を打ち続けている物好きはぼくだけになることが多い。

 もっと大きな魅力は、アプローチが天然の芝やラフの上から打てること。いろんなライを試しながら。パターも本物グリーンで転がせる。気がすむまで。

週に2日練習、1日プレー

 というわけで、ことしゴルフ場に行った153回の遊び方は、次のふたつに別れた。

  1. ホームコースに行き練習だけで帰宅 89回 (前年75回) 
  2. 早朝練習後にコースに出てラウンド 64回 (前年62回)

 2021年と比べると、①の練習のみが月に1度ほど増えた。打つ球数も前年は1回100球だったが、ことしは3度に2度は200球にした。1回平均を166球とすると、年に1万4774球を打った計算になる。

 プレーした日も、そのコースの併設練習場へスタート前に行き、20~40球を打った。これを平均30球とすると、ラウンド前の練習でも1920球を打ったことになる。「練習のみ」と「スタート前」を単純に足すと16694球になった。この数の評価は、後の平均スコアや各種データで判断するしかないだろう。

■スコアやや改善 パットは悪化

 プレーを終え帰宅すると、ゴルフダイジェスト(GD)社の専用サイトにアクセスし、その日のスコアを記入するのも日課だ。18ホールすべてについて第1打の使用クラブとボールの行き先、バンカー回数、パット数などを記入していく。下の画像は、ぼくの「過去1年 64ラウンド」の平均データだ。

ことしと前年を比べると―

  1. 平均スコア 83.8 (前年84.9)
  2. 平均パット 31.6 (前年29.8)
  3. FWキープ率 50.4 (前年49.6)
  4. パーオン率 27.7% (前年14.4%)
  5. OB発生率 2.9% (前年6.7%)

 平均スコア改善の理由は、まずOB発生率の低下にある。前年は1ラウンドに1回はOBを打った。ことしは2ラウンドに1回まで減らすことができたから練習の成果だろう。しかし大事な試合に限ってOBが出ており、成果はそこまで及ばなかった。

 パーオン率が倍に上がったのは、練習の効果もあるとみていい。パット数が悪化したのは、その裏返しだろう。パーオンはしたがロングパットが残ることが増えた。そのぶん「寄せワン」が減った。

加齢の「古稀ティー」もスコア改善に寄与

 ことし70歳になったので、競技によっては、グランドシニア用の「古稀ティー」から打てるようになった。コース総距離はレギュラーティーより250~300ヤードは短い。par4の第2打でパーオンを狙う場合、クラブの番手をひとつかふたつ大きくでき、そのぶんパーオンの確率は上がる。

 それがパーオン率改善と、スコアアップにつながっているのは間違いない。となると、練習の成果は、加齢に伴う衰えをなんとかカバーできている程度、なのかもしれない。

■本番ショット数3341 練習の5分の1

 1ラウンドにおける平均ショット数は、スコア83.8からパット数31.6を引けばよいから、52.2回となる。これにラウンド数の64を掛けると3341。これが、コースをラウンド中の本番ショット数になる。

 ぼくが練習で打った球数は16694球。本番でのショット数のほぼ5倍だったことになる。この計算をするまで、本番の10倍ほどは練習で打っていたつもりだった。平均スコアが期待ほど伸びなかったのはそのせいなのだろうか。

「練習はうそつかない」
「練習でできないことは試合ではできない」

 スポーツ界で広く支持されているこの格言を信用するなら、練習の量と質をさらに上げないと、これ以上のスコアアップは望めないだろう。加齢との戦いになる。

■ラウンドの3回に1回 ビジターで別コースへ

(▲プレーした13コース)

 コースに出てラウンドした64回のうち41回は、ホームコースの東名古屋CCだった。ほとんどは、メンバーだけが参加するクラブ競技だった。

 ほかの23回は別の13のゴルフ場にビジターとして訪れてラウンドした。笠間(千葉)、大利根(千葉)葛城(静岡)は「井上誠一ツアー」として高校の同窓生と訪れ印象記も書いた。日野(滋賀)は、敬愛するゴルフ作家との懇親ラウンドの場になった。

 あとの9コースは東海3県にあり、いずれも公式試合の会場だった。

■中部の壁が高い 突破には「常に70台」

 その公式競技、2022年は7回、挑戦した。予選からのスコアを一覧表にしてみると、いろいろとみえてくるものがある。

 全国大会の舞台までつながっているのはCGAとPGS。5試合のうち中部地区決勝に進んだ3試合で、全国切符に足りなかった打数は以下の通りだ。

  1. CGAミッドシニア   2日間であと7打
  2. CGAグランドシニア  1日間であと8打
  3. PGSミッドシニア   2日間であと9打

 この差は絶望的なほどに大きい。それぞれの体験記に書いたように、女神を感じたのに単純ミスで手放し、焦って自滅。予選よりもスコアを落とした。ライバルは、ほかのゴルフ場でクラチャンになったことがあるような実力者ばかり。ぼくは経験も度胸も足りなかった。

 本番コースの距離はミッドが6300ヤード前後、グランドが6150ヤード前後に設定さていた。中部の壁を超えるには、ホームコースでこの距離を回った時、いつも楽に70台で回れる実力と安定性がいるだろう。ぼくにはとてもチャレンジングな壁だ。

■神との対話 大舞台の緊張から

 しかし公式競技でしか味わえない景色があることも、ことし知った。ゲームの流れに女神が潜んでいることも身に染みた。もっと大きな景色を見てみたい。もっと女神を肌で感じてみたい。そして、こうも思う。

 ― 挑戦してだめでも、砕け散るのはぼく個人の夢だけ。だれにも迷惑はかけない。その道のりで味わう興奮と喜びと悲嘆は、この先の人生の栄養になるはずだ。

 — 女神はいつも近くにいる。しかしだれにでも寄り添うわけでない。こつこつと練習を重ねてきた人、果敢に挑んできた人をかぎ分け、思わぬ場面でよくやったと微笑んでくれる。その瞬間は大舞台の緊張の中でしか感じられない。

 なんか、重たいトーンになった。平たくいえば、もういっぺんわくわくしたいから、2023年も練習を重ねて、全国切符に挑んでみるか、である。

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