5 映画 銀幕に酔う

米映画『モリー先生との火曜日』

真正面からの師弟愛 シンプルな言葉

 (ミック・ジャクソン監督、1999年)

 米国映画らしくない。というか、実にまともな人生訓の映画だった。二女に「お父さんも見ゃあ、泣けるから」と勧められて、レンタルで観た。

 主人公の女友達が先生と会話し歌うシーンが特によかった。それに先生の語る言葉がシンプルで、きれいな文法に沿っていて、ぼくでも字幕に頼らなくてもなんとか理解できた気になれたのもうれしかった。

 観ながら「師弟愛」という言葉が浮かんだ。そのひとつの形を真正面からとらえた作品だった。

 映画の本質からはややそれるけど、主人公のスポーツエッセイストとしの仕事ぶりがちょっと気になった。

 ぼくも活字メディアの中にいるためだろうか、実際のデスクはあんなにひどくないし、忙しくもないはずだと突っ込みをいれたくなった。米国ではエッセイストもあんなに現場にこだわるのかなあ。

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