ニッポン闇社会に外人メス 時事英語も満載
(光文社、2003年10月)
『日本がアルゼンチン・タンゴを踊る日』(2002年12月)の続編だ。前著よりも筆者の確信は深くなっている。ニッポンはこのままでは確実に沈む、という確信である。副題が「さらに失われる10年」と畳みかけている。
政・官・業+ヤクザ、そしてメディアも。闇社会にむしばまれる日本のAuthorityの腐敗の深さを、在日経験が長い外国人ジャーナリストの目で、これでも信じないか、これでどうだと畳みかけてくる。5万人をJailに送らないと立ち直れない、というのもすごい言い方である。
莫大な不良債権の向こう側に、どうやっても立ち直れないzombiesがいて、その陰にヤクザがいる!
竹中らが考えている金融システムの健全化、企業再生の方向には、こうした視点があるとすれば腑に落ちる。アメリカに対する厳しい見方も、そうか、そんな考え方もあるのかと、納得がいく。
体裁も斬新 横書き キーワードに英語併記
本の体裁も斬新だ。横書きのペーパーバックスタイル。見出しや多くのキーワードには英語がついているので、言葉の意味や定義が明白だ。英語でビジネスをしている人には議論用に格好のテキストになるだろう。時事英語満載の生きた英語テキストとしても使える。日本語もよくこなれている。