2 小説 物語に浸る

高任和夫『告発倒産』

 (講談社文庫、初刊は2000年10月)

 大手百貨店から総会屋への利益供与事件で、罪のいっさいをかぶらされて逮捕された男と、その男の妻の妹の復讐物語である。

 筆者が書きたかった、というか描きたかった世界はよくわかるし、それなりに面白く読めた。ただぼくとしては『粉飾決算』の方が腹に落ちた。妻の妹、敦子にどうもいまひとつ、リアリティが感じられなかったのが原因かもしれない。

 リアリティは総会屋の古手のボスに感じた。しかもなかなか魅力もある。こういうのを男気というのだろうか。

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