7 催事 肌感で楽しむ

知覧特攻平和会館

哀切な感情ふつふつ 時代背景への思いも

 (鹿児島・知覧、1985)

 知覧には太平洋戦争の末期、特攻隊の基地があった。パンフレットによると、特攻作戦で散った若者たちの遺品が戦後、この町に集まるようになり、まちづくり事業の一環として町が昭和60年に新築したのがこの会館だ。

 小泉首相が訪問した時に涙したという展示物が観たかった。涙の対象の中心はおそらく、特攻隊員たちが残した遺書であったろう。

<▲案内パンフから>

 そこには、青年の清冽な志、国に殉じる姿勢、気位の高さ、あふれる知性(というか、きれいな字)、親を想う気持ちがあふれている。読んでいると、特攻隊員となって死んでいった若者たちへの哀切な思いが湧いてくる。

 その一方で、そうした思いや同情だけで立ち止まっていては、何も学んでいないのと同じではないかとも思った。あまりにも日本的な「神風」精神とか、自己犠牲の見事さのみに目を奪われていてはいけない、との声を心の中で聴く。

 かれらをあそこまで追いやった軍国主義や当時の教育への反省は、ぼくが見た限り、館内にはなかった。あの戦争において日本軍が中国や韓国、東南アジアで繰り広げた行いについての配慮も見つけることはできなかった。

 もう一度、映画『ホタル』を観てみよう。

 鹿児島県の指宿での名古屋グランパスキャンプを運動部長として視察した後に、そう遠くない知覧町に移動し、前から見たかったこの施設を訪ねた。

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