5 映画 銀幕に酔う

邦画『血と骨』

強烈 たけしの演技 熱量と毒気が噴出

 (崔洋一監督、公開は2004年11月)

 予想以上の暗さであり、重たさであった。在日朝鮮人の人たちが日本人社会からの抑圧と差別のもと、力強くも、しかし凄惨な身内同士のぶつかり合いの中で生きてきたことを知らされる。

 ビートたけしが演じる主人公の、モラルとか正義とか論理とかを超えたエネルギーの噴出、自己主張のほとばしりは、とんでもない熱量だ。あまりに強烈すぎて、ときに嫌悪感さえ覚えるほどだ。

 鈴木京香は熱演してるけれど、たけしの毒気には太刀打ちできていない。たけしの凄さばかりが際立つ作品に思えた。皮相的すぎるだろうか。

こんな文章も書いてます