2 小説 物語に浸る

重松清『流星ワゴン』

「現代」を意識か 家庭かかえる問題次々と

 (講談社文庫、初刊2002年2月)

 重松清を初めて読んだ。週刊誌で「いまもっとも泣ける作家」という紹介があったと記憶しているが、思ったよりも「現代」を意識した作家であるところは予想に違っていた。

 主人公の父との相克、リストラ、妻のテレクラ浮気、息子の中学受験と引きこもり、いじめ…。いまの日本の社会や家庭が抱えている問題の総まくりのような構成である。

 ぼくには夫婦関係のところがいちばん身近だった。妻がこの本のような行動に出たら、ぼくも同じ行動をとれるだろうかと。

 この作家はぼくよりひとまわり若い。1960年代生まれの代表作家のひとりだろう。ぼくの世代の作家は、代表を浅田次郎や伊集院静、村上龍、高村薫らとすると、重松世代に「いまひとつ、ではなくて、いまふたつ」くらいの差をつけているように思う。同年代のひいき目かもしれないが。

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