2 小説 物語に浸る

藤沢周平 用心棒シリーズ『刺客』『凶刃』

おとこ気とけなげさ 男女のあやとり軸に

 (新潮文庫、初刊は1983年、 1991年)

 用心棒日月抄シリーズの第3弾と第4弾を一気に読んだ。はじめは第2弾と同様に枕元で。しばらくたつと通勤の電車の中でも。早く次が読みたくて、夜の枕元まで我慢できなくなったからだ。

 このシリーズ、読み進むにつれて、主人公の青江又八郎のおとこ気と、女スパイ兼忍者兼秘書の佐知のけなげさとの”あやとり”が軸になっていく。

 第2弾までは、剣の遣い手としての浪人の生き方が主軸だったが、第3弾から男と女、それもアスリート系の男女のストイックなラブゲームに近くなっている。

 もちろん国元での策略や陰謀や剣術も重要なスパイスにはなっているが、筆者が内在する人間への思い、様々な屈折や葛藤がにじみ出てきた気がする。次の『海鳴り』を読んでいて、もっとそう思った。

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