6 報道 新聞の先は

新潟日報本社ビル『メディアシップ』

北前船+報道+意匠 理想の融合

 (新潟市、2013年4月完成)

 ことし春にできた新潟日報の新本社ビルを視察した。最大の特色は「メディアシップ」というコンセプトとネーミングを導き出し、それをビルの外観デザインと完全にマッチさせたことに尽きるだろう。

(▲新潟日報社HPから)

 日報社は新潟市の都心の一等地に新たに土地を取得した。郊外にあった本社が上層階に入り、中層階は貸しオフィスにあてている。通りに面した1階と2階には、イベント広場やホール、飲食、新潟情報の発信・検索コーナーを設けた。

 関係者によると、「メディアシップ」には、新潟に富と情報を運んだかつての北前船と、地元に必要なニュースを届けてきた有力新聞社のイメージを重ね合わせてある。

建築設計においても、通り側のカーテンウォールを上下に大きく湾曲させることで、帆が風を受けて膨らみ船(新ビル)が海上を疾走しているイメージを表現し、コンセプトと名前を具現化した。

▲メモ帖から

 このアイデアは石本建築事務所の提案だった。新本社建設にあたって5社によるプロポーザルコンペがあり、石本のこの提案を新潟日報が選択して実現した。建物のコンセプトと外観がこれほど見事に融合している例はそれほど多くないと思う。

 ただ新聞社の本社が入るビルということもあるのか、象徴性を優先していて、収益性はそれほど意識はしていないと感じた。

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