「似た者」の匂い 来年はグランドシニアへ
昨年6月に退職したとき目標のひとつが、55歳以上を対象にしたゴルフ公式競技への挑戦だった。しかしコロナ禍で昨年の競技はほぼ中止になり、ことし5~6月の愛知県シニア選手権が本番になった。出てみると、ぼくと似た匂いがするゴルフ好きの高齢者でいっぱいだった。来年には70歳になり「グランドシニア」に参戦できる。実力はまだまだ足りないので、この挑戦を多彩に楽しむにはもっと練習するしかない。
■競技にもいろいろ
スコアを多人数で競う競技はゴルフの楽しみのひとつだ。大きく分けて三つある。
- プライベートコンペ 職場仲間や飲み友達や同窓会/ほとんどがハンディ戦
- クラブコンペ ゴルフクラブの会員だけ/ハンディ戦が軸で時にスクラッチ
- 公式競技 公的団体が主催するオープン競技/スクラッチが中心
三番目の公式試合は、公的な団体がゴルフの普及と振興を目的にして開催している。ぼくが住む名古屋では、以下の3つの団体がある。
- 愛知県ゴルフ連盟(AGA) 愛知県内の47のゴルフ場が加盟
- 中部ゴルフ連盟(CGA) 8県連あり上に日本ゴルフ協会(JGA)
- 日本パブリックゴルフ協会(PGS) 全国の80のパブリックコースで構成
クラス分けには年齢も加味されている。ぼくのように年を重ねたゴルファーのために、いくつになっても同年代と競技を楽しめるようにと3つのクラスが用意されている。
- シニア 55歳以上
- ミッドシニア 65歳以上
- グランドシニア 70歳以上
というわけで、ぼくが5-6月に出た愛知県男子シニア選手権は、「オープン参加の公式試合でスクラッチ」「主催はAGA」「55歳以上のシニア限定」というわけだ。
■55歳以上の「腕自慢」たち
今回のシニア選手権、どんな男たちが集まってくるのか興味津々だった。同じ組になった人の話とか、所属クラブが同じ人たちから想像すると、ぼくも含めて共通点はこんな感じだろうか。
- とにかくメシよりもゴルフが好き
- 20年から30年のプレー歴がある
- クラブに所属しシングルハンディ
- 親睦ラウンドより競技の方が好き
- 他クラブの実力者とも競いたい
- 平日でも1日をゴルフに割ける
そう、わかりやすくいえば「年齢を重ねたゴルフ大好き」のおじさんたちなのだ。愛知県に47あるゴルフクラブのそれぞれで、チャンピオンとかインター選手枠を競ってきた強者が集まってきている。
■同年代の仲間 似た者同士の匂い
愛知県シニアの本選で同組になった3選手(生まれ年)は、Yさん(ぼくよりひとつ上の昭和26年生まれ)、I さん(29年生まれ)、Oさん(30年生まれ)だった。65歳から70歳の同世代である。
3人はぼくよりはるかにお上手だった。スコアも2人が70台、ひとりが80におさめていた。ドライバー飛距離も平均230ヤードは出ていて、200ヤード止まりのぼくとは比較にならない。
それでもかれらには自分と似た匂いを感じた。ゴルフが好きで仕方がないまま老年に達したに違いない。ボールに向き合うと野心と無心の間を往復している。ダボを叩くと口では終わったと言いながら、心の中はあきらめておらずバーディーを狙って取ってくるではないか。
こういう人たちとのプレーは楽しかった。所属クラブの外にも気が合う仲間に出会えるかもしれない。それもこうした大会の副産物になるのだろう。
■来年からグランドシニア
ぼくは来年には70歳になる。グランドシニアの大会への出場資格が得られる。70歳にして「ルーキー」「新人」として「デビュー」できる。夢は70歳か71歳の時に全国大会の舞台に立つことだ。
心臓がバクバクしたり、足や手が震えるに違いない。70歳をすぎてこんな体験ができる場はぼくにはもうない。それを文章で表現し、まとめてみたい。手ごたえある文にできるだろうか。
「似た者」仲間も各地に増やしてみたい。地方での大会のたびに「やあ、ことしも元気にまた会えましたね」と声を掛け合えたり、試合後に一献傾けたりできれば、最高だろうなあ。
全国大会に行くには愛知県と中部地区大会の予選を通過しなければならない。どこのコースでも楽に80を切れる力がないと届かないだろう。技量をいまより2ランクは上げないと夢のまま終わってしまうだろう。練習しかない。うーん、結局、結論はそこへいってしまう。