5 映画 銀幕に酔う

米映画『The Greatest Showman』

19世紀の米興行界 差別と家族愛と友情

 (マイケル・グレーシー監督、日本公開2018年2月)

 ハリウッドの話題作らしい。二女に勧められて妻と観たのだが、期待以上に面白かった。音楽もダンスもカメラワークもテンポも。

 19世紀後半のアメリカの興行師が主人公だ。仕立屋の息子に生まれ、ショー(サーカス)の世界へ打って出た男の話である。

 欧州で有名だった歌手を招いていったん成功したように見えたが、転落する。歌手との不仲やサーカス劇場の火事によって。しかし仲間に誘い込んだ著名劇作家との友情によって仮設テントでよみがえる。

 生い立ちや見かけや人種からくる差別との格闘が根本のテーマだろう。そこに家族愛や友情もからまる。

 映画の中で妻が叫ぶ。「自分のことしか考えてないじゃない」。この叫び、最近観たほかの映画でも聞いたぞ。そうだ、『市民ケーン』の主人公に対してだった。設定の時代も似ているのだろうか。

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