1 ゴルフ 白球と戯れる

秋山昌邦『セント・アンドリュース』

似た匂い 人脈に驚き 僕なりにやろう

 (ゴルフダイジェスト社、2009年)

 秋山昌邦(あきやま・まさくに)さん。知らなかった、こんな人がいたなんて。しかもぼくと同じ年で、同じ京都の出身。大学は同志社とある。

 ゴルフに魅せられ、セント・アンドリュースに魅せられた。スコットランドのリンクスだけではなく、世界各地の名コースをラウンドしてきた。カメラマンだから、ラウンドしながら撮影もし、それが仕事にもなった。年間100ラウンドとも書いてあった。

 所属する神戸ゴルフ倶楽部ではクラブチャンピオン競技で準優勝もされている。うーん、仕事は違うし、腕前も及ばないとは思うけど、ゴルファーとしては似ている感じ、同じ匂いがする。

 セント・アンドリュースをはじめとするスコットランドのリンクスコースめぐりでは、なんといっても、山口信吾さんがあまりにも有名だ。山口さんがパイオニアかと思いきや、こんな人もいたんだねえ。ということは、ぼくと同じような夢を描いている60代がほかにも何人か日本にいるということだろう。

 もっとも秋山さんの本業はカメラにある。この本の文章は、わたしの目線からすると、少し物足りない。しかしこれだけの交遊歴を持ち、知り合った人の名前と所属をこんなにたくさん本に書けるなんて!  そのあたりの人徳と記憶力はぼくにはない。まいりました。本当に、まいりました。

 あなたも思い切ってセント・アンドリュースを訪ねてごらんと、表紙や巻頭カラー写真が呼び掛けてくる。そう深く考えずにここへきて、まずはボールを打ってみろ、と。それをぼくにかなえさせてくれるのは、そう、ぼくしかいない。

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