日本人tが幼稚化? 真のプロとは何か
(角川ONEテーマ21、2010年5月)
日本シリーズの中日―ロッテの戦いを観ながら、3日かけて読んだ。
いままで落合監督の振る舞いや采配について、多くの人は「傲慢」「サービス精神がない」「冷たい」などとネガティブな価値づけとレッテルでしか見てこなかった。ぼくの周りにいるほとんどの人も、そしてぼく自身も。
しかし筆者は「日本人の幼稚化をあぶりだす超プロフェッショナル」「必殺仕分け人」「長嶋の後継者」など肯定的な表現で評価してみせる。「嫌われることをまったく恐れない」「勝つために何が必要か、それがすべて」とも。
読み進めるうちに、プロフェッショナルで寡黙な合理主義の落合野球も「まあ、それもありかもしれない」と思えてきた。やはり、すべて実力次第で、競争の厳しさでは群を抜いているプロ野球の世界において、選手としても監督としても「結果」を出し続けてきたことが大きい。
この本を読み終えるころには、他人の機嫌ばかりとって結果を出せない八方美人ぐらいなら、落合流の方がましかもしれないと思うようにもなった。何事も考え方、見方、尺度しだい、ということか。