「首をとる」使命と隊員の友情を前面に
(カン・ウソク監督、2004年6月公開、DVD)
期待とほぼ同値の手応えだった。1968年に結成された実在した部隊の話。南北関係を基軸にした韓国骨太映画の代表作だろう。
「金日成の首をとる」という表現が字幕で頻繁に出てくる。10回は超えているかもしれない。「北」へのミッションをもっとも象徴的に表わしているのだろう。韓国語でも、文字通り「首をとる」というのかなあ。
観る前は、若者たちが歴史と政治にほんろうされることの虚しさがもっと前面に出てくると思っていたが、それ以上に友情や仲間意識が強く出ていたのがやや意外だった。
映像に関しても、もっとハリウッド的な特撮をたくさん使っているように思っていたが、そうでもなかった。
韓国人男性が広く持っていると思われる”軍隊的性格”が色濃く出ているように感じる。『冬のソナタ』のようなリリシズムとどういう風に同居しているのか、不思議な気もした。