7 催事 肌感で楽しむ

井上陽水ライブ『Blue Collection」

艶のある高音 古びない歌詞 大人の世界

 (名古屋市・金山市民会館)

 井上陽水には昨年、ロングインタビューをしていた。名古屋での新聞大会にあわせて作った特集のフロントページに載せるためだ。彼のヒット曲のひとつ『傘がない』の冒頭に「都会では自殺する若者が増えている。今朝来た新聞の片隅に書いていた」とあるのを手がかりに、新聞について話してもらった。

<▲家にあるCDや関係本>

 インタビューの準備のため、事前に彼の曲はみな聞いたし、関係本も読んでいたから、特別な思いがこもるコンサートになった。

 十分に楽しめた。あの艶のある声、古びず媚びない歌詞、彼にしか紡げないメロディー…。何度もCDで聞き返したなじみの曲を、本人の生声で聴けるのだ。それも、昨年のインタビューの際の様子を何度も思い出しながら。

 中でも『リバーサイドホテル』『最後のニュース』『ジェラシー』『カナリア』など、バラード系が出来がよいようにぼくには聴こえた。『星のフラメンコ』には意表を衝かれたけれど。

 全体として手慣れたステージで、大人のシンガー、陽水の世界だった。客層も60がらみの男女が多く、まったく違和感がなかった。

 欲を言えば、楽器のボリュームをもう少し絞るか、アコースティック系だけにした方がよかったかも、と思うが、あのホールであの観客数に聞かせるには無理な注文なのかもしれない。

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