5 映画 銀幕に酔う

米映画『白いカラス』

黒人差別がベースに 教授と掃除婦の恋

 (ロバート・ベントン監督、日本公開2004年)

 アンソニー・ホプキンスとニコール・キッドマン。老いた教授と人生につかれた30代の掃除婦の恋である。公開前にはラブシーンばかりが話題になった気がしたが、本当のテーマはもっともっと重苦しい。

 黒人差別という実態がまず最大のベースにある。それをめぐる社会のモラルと世論が横軸になる。

 ニコールが演じる女のなんとも怠惰でふしだらな様子が実は、人生の重たい体験の果てのものとわかるのに時間はそうかからない。そのあたりはアメリカ的な映画でもある。

 難を言うと、ホプキンス演じる教授がなぜあのひと言で教授会から糾弾されたかが、ぼくにはいまひとつ伝わらない。その前のリストラとか強引な運営といった背景のディテールがとぼしかったからだろうか。単なる知識の乏しさかー。

 もうひとつ、ニコール演じる女性がなぜ最初にホプキンスを誘ったのか。そこにもぼくは得心がいかなかった。

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