「自分時間を取り戻せ」と元日経論説主幹
(文春新書、2004年1月)
筆者は日経の元ワシントン支局長で元論説主幹をへて作家として独立した人。1937年生まれだから、ぼくより15歳も上だ。会社の資料部で偶然見つけ、借りて読んだ。
タイトルは極めてオーソドックスな新聞スタイルだ。副題が魅力的で「時間貧乏からの脱出」とそそる。
読んでみると、カギはこの副題の中の「時間貧乏」にある。時間の大事さを早く自覚して自分の時間を取り戻そうというのが趣旨だから、タイトルはメーンとサブを逆にした方がよかった気がする。
あるいはもっと刺激的にこんなのはどうだったか。
- 『あなたは時を奪われている』
- 『時を奪われている君に』
- 『時間を盗むのはだれだ』
- 『時間を奪い返せ』
はっとする指摘もあった。「自分の時給は年収を2000で割れ」はその筆頭。「モノはもたない」「質素は貧乏と似て非なるもの」「不況は悪いことばかりではなかった」も印象に残る。