8 街歩き 建築を味わう

道頓堀 巨大看板群とデッキ

滅茶苦茶な組み合わせ なのに溶け合う浪花流

  (大阪市)

 中之島の国立国際博物館を訪ねた後、道頓堀に移動した。当たり前だけれど、やっぱりこちらのほうが大阪らしく見えた。

(▲道頓堀商店会のHPから)

 道頓堀川に沿って巨大な看板が次々とできている。最新は観覧車で、陸上競技場のトラックのようなリングに沿って真っ赤な円形のボックスが回っていた。中央にはえびす様の顔。店はドンキホーテである。この滅茶苦茶な組み合わせが、道頓堀沿いの古びたビル群のファサードと妙に溶け合っている。

 あのグリコの看板を超える人気アイコンになるかもしれない。

 もうひとつの驚きは、道頓堀川の両サイドに歩行者専用デッキができていて、「水都大阪」のプロジェクトが動き出していたことだ。

 ぼくが中学校の修学旅行で道頓堀に来た38年前は、河の表面をゴミが埋めていて、その上を大きなネズミが走り回っていた。それがいまはすっかりきれいになり、観覧船が真ん中を下っていった。船の中では宴会をやっていて、酔客が川沿いデッキの歩行者と手を振りあっている。

 ■名古屋の栄や堀川 足元にも及ばない

 戎橋から上流の橋までの間にいい水辺空間ができつつある。それにあの人手と熱気、たこ焼きとお好み焼きの匂い。うーん、名古屋の栄や堀川なんて足元にも及ばない。くやしいけれどやっぱり大阪は大阪、ミナミはミナミだ。

 大阪では梅田の大阪駅前でも阪急百貨店のわきに赤い観覧車が回っていた。その梅田の周辺ではホテルや再開発ビルが続々とできていて、北側にはまだ貨物ヤード跡が広大に残っている。

 万博・空港に沸く名古屋は「すでに大阪に追いついた」とか「いや、もう追い越した」と自信を深めている最中だが、30年早い気がする。そんな感想を夜の会食で地元新聞社の人に話したら「ほめ殺しみたい」と苦笑いされた。

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