4編とも巧みなストーリー展開
(文春文庫、初刊は200年10月)
期待に背かない面白さだった。ぼくは短編という形式はどちらかというと遠慮したい方だが、この作品に収められた4編はみなよくできていて、読み終えるのがもったいなかった。
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なかでも『動機』と『逆転の夏』がよかった。新聞社がちょくちょく顔を出す。横山氏は元記者なのでリアリティも濃い。
登場する人物にパターン化した印象を受ける場面があったり、男はリアリティがあっても女性に存在感が薄かったりする場面もある。しかしストーリー展開が巧みなので、十分にカバーできている。
直木賞をめぐって話題になった『半落ち』はこれより少し後の作品だ。先に映画を観てしまったけれど、小説でしっかりと読んでみよう。