あすはぼく 身につまされる場面が続出
(堤幸彦監督、公開2006年5月、MOVIX三好)
涙、そして沈黙…。つらい結末だ。
主題は若年性痴ほう症。広告会社のやり手部長が少しずつ記憶をなくしていく過程が無残である。会議の予定を忘れ、ついには道順まで忘れる。そのシーンには同じ部長としてぼくも本気で身につまされた。
渡辺謙、樋口可南子はともに好演している。とくに渡辺の演技力はすばらしい。娘の結婚式で、この病気を参加者に悟られないように注意を払いながら、なんとかスピーチを終えるシーンは特に秀逸だ。ぼくもあの緊張はよくわかるので、観ていてハラハラした。
渡辺謙はきのう、自分が今度はC型肝炎であることも明らかにした。少し前は白血病とも闘ったはずだ。この人、実際の人生でもすごいことになっている。