背景難解 早い展開 原作読んで再見へ
(ロン・ハワード監督、公開2006年5月、MOVIX三好)
原作の小説を読んでいないので、ついていけなんじゃないかなあと恐れていたら、その通りになってしまった。もともとキリスト教に詳しいか、原作を読み込んでいないと、やはり中身の理解は難しい。
キリストとマリアの間に女の子が生れていて、そのことを伏せておきたい一派と、その子供の子孫を守ろうとする一派がいる。そのせめぎあいの中に、トム・ハンクス演じる象徴学者とキリストの子孫が巻き込まれていく。
とにかく展開がスピーディーだ。個々の場面の背景を考えている暇がないのだけれど、引っ張る力が強く、最後まで飽きることはなかった。ルーブル美術館が何度も出てきて、現代感覚もある。
ただ映画そのものとしては、それほどの出来、面白さではないのではないか。キリストの子供をめぐる政治的、宗教的リアクションの方が興味深い。
とにかく原作を読んでから、もう一度、この映画を観てみよう。