5 映画 銀幕に酔う

中国映画『レッドクリフPartⅡ』

映像美と迫力 五輪開会式監督の真骨頂

 (ジョン・ウー監督、日本公開2009年5月、映画館)

 有名な原作があり、登場人物もストーリーもよく知られている。それを映画にして観客を納得させるには、作品によほどの映像美と迫力、そして俳優たちの魅力がないと、成り立たないだろう。

 ジョン・ウーの映像美と迫力は、昨年公開されたPartⅠで立証され、彼は北京五輪開会式の演出もまかされた。

 俳優の中ではやはり『ラストコーション』にも出ていたトニー・レオンがうまい。金城もいい。ただほかの男優たちは、三国志の英傑にしてはまだまだ小粒な感じがした。

 それにしてもこの監督、ひとりひとりの命や人権にはあまり関心がなく、全体としての美や勝利、大将の生きざまの方により興味があるようにみえる。それはある意味、いまの中国そのものでもあるだろう。

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