抑制の音・光・文字 核の非情が突き刺さる
世界平和アピール委員会の名古屋講演会で、橋本公氏の『over killed』を観て衝撃を受け、ほかの2作もDVDを事業局から借りてきて観た。
■『over killed』
パチンコ玉ひとつを核爆発実験として、長崎から後の数の多さを目で見えるようにした。最初の一発で広島は14万人強の死者。2発目で6万人強。その後の実験の6万発強がパチンコ玉の滝となって透明ボードに落ち、その音と数で「実験」の非情さを訴えている。後半の時間が長く、こたえる。
■『1945-1998』 (14分22秒、2053発)
米国が1945年7月にネバダで行った実験が1個目。その後、世界のどこでどの国が何回の実験をしたかが、光の点滅と国旗の後の数で示される。米国、仏、英が上段に。下段に中国、インド、パキスタン…。
■『names of the experiments』(6分26秒)
米国が核実験につけた名前がⅠ行ずつ、英語で浮かんでは消えていく。動物、花、色、人名、星などの名前がひと塊になって出てくる。スピードが早いのですべて読むのは大変だが、時々、静止時間が数秒に及ぶ名前がある。
印象に残ったのは「smiling budda」、そして「end」。関係者は「ふざけた名前をつけるんですよ」と怒っていた。広島は確か「little boy」だった。
この無神経さ。いやむしろ、核実験を遊び心で包んでしまえる感覚の奥に潜む哀しさ、というべきなのかもしれない。