4 評論 時代を考える

竹内一郎『人は見た目が9割』

「非言語」の魔力 実例も豊富に

 (新潮新書、2005年10月)

 2005年10月に発刊されてからなんと64刷を重ねてきている。この本が売れているとの広告を見るたびに、単なるノウハウものと思っていた。言葉なんてどうでもいいから第一印象や外観を磨きなさい、みたいな。

 でも直近の帯には「ついに110万部!」とあった。超ロングセラーだ。こういう本は必ず、現代人を惹きつけるプラスアルファがある。

 読んでみると確かにノウハウ本ではなかった。人が受ける印象やコミュニケーションにおいては、非言語の比重がいかに高く、いかに多岐にわたっていて、深いものであるかを書いている。実例も豊富だ。筆者が舞台や漫画を表現の手段にしていることもうまく生きているようだ。

 ■タイトルにも力 「されど1割」論は?

 それにしてもこのタイトルのインパクト。売れている原因の多くはやはり、そこに尽きるかも。もしも「見た目の威力」とか「非言語の世界の魔力」なんかだったりしたら、こんなには売れなかっただろう。

 言葉による表現やしゃべるのが苦手な人、外観に自信がある人、化粧やおしゃれに関心がある人は買いたくなるだろう。

 活字大好きのぼくとしては、「残りの1割」こそが大事なので、「されど1割」だといった視点はないのか、と突っ込みたくなるけれど。

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