5 映画 銀幕に酔う

米映画『ミッション・インポッシブル ローグ・ネーション』

アクション重視の傾向 リアリティ希薄に

 (クリストファー・マッカリー監督、日本公開2015年8月)

 MIシリーズの最新作。英国の元諜報部員が各国の元スパイを動員して秘密組織を作り世界を牛耳ろうとするのに対し、トム・クルーズ演じるIMFのイーサン・ハントが孤軍奮闘で闘う。最後は英首相まで巻き込んで…。

 注意深く観ていても、スパイ組織どうしの戦いの構図がぼくにはうまく整理できないまま次の展開に移っていく感じがした。そのあたりのリアリティはそれほど重視していなくて、派手なアクションを優先しているのだろう。

 飛行機に車にバイクと、トム・クルーズ本人のアクションはそれなりに楽しめた。ただしそれを除くと、たいして見るべきものはない、とぼくは思えた。

 スパイアクションなのでどうしても007シリーズと比べてしまう。品の良さや中身の深さでは007の肩を持ちたいと思ってきた。しかし007最新作『スペクター』と今回のMI最新作を比べると、どちらもアクション重視の似た世界に近づいているような気がする。もったいないと思うのは、オールドファンゆえなのか。

 DVDで観たので付録がついていて、トム・クルーズへのインタビューや撮影余話が面白かった。この作品はトム・クルーズがプロデューサーもつとめており、何から何までこなしていると知った。彼はクリント・イーストウッドのレベルにまで届くだろうか。

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