1 ゴルフ 白球と戯れる

山口信吾『死ぬまでゴルフ』

理系 遅咲き リンクス 融合に円熟味  

(幻冬舎、2012年10月)

 少し前に読み直した『定年後はリンクスゴルフを愉しもう』が2003年9月、筆者60歳の時のデビュー作である。その本の前書きは鮮烈だった。「いま定年1年前。来年はスコットランドの小さな村に住む」で始まったのだ。

 この『死ぬまで~』の発行は2012年だから、ざっと9年後になる。帯には68歳とある。この間にも何冊もゴルフ本を出されている。たいしたものだ。

 山口氏のゴルフと著作のオリジナリティは以下にあるとぼくは思う。

  • 大手建設会社で建築、都市開発の仕事をきちんと定年まで続けた理系サラリーマンである。留学もされている。
  • ゴルフは43歳と遅いスタートでありながら、シングルプレーヤーになられた。その過程と技術を理詰めで語れる。
  • 英国のリンクスに通い続けて、その旅のノウハウと現地事情に詳しい。

 つまり理系サラリーマン、遅咲きシングル、リンクス大好き。この三つの顔を見事にミックスしたり、使いわけながら、円熟味を加えている。

 この本の副題は「ゴルフ人生を全うするための18訓」とある。ぼくにはどれも同感できる。ともに建築を学んだという、勝手な親近感もあるだろう。

 ほかの同年代のシニアゴルファーたちはどうなのだろうか。経歴や著作の表面だけ見て「すべての面で恵まれたインテリのシニアアマ」とみてしまうのは惜しい気がする。このタイトルの潔さを真正面から受け止めたい。

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