監督の正義感をストレートに表現
(クリント・イーストウツド監督、日本公開2009年2月)
米国の西海岸で実際に起きた事件がもとになっているらしい。子どもの失踪と変質者による幼児誘拐や殺害、警察の権威主義、母親の執念とそれを支える良識派、そして裁判…。
さまざまな要素が見事に折り重なり、緊張する場面の連続である。
イーストウッドの強い正義感とストレートな表現、ラストのすっきり感。ぼくが米国社会に求める方向性と透明感というべきかもしれない。
キネ旬の09年外国語映画ランキングでは、イーストウッドが主演した『グラン・トリノ』が1位、監督したこの作品が3位である。日本人としてカタルシスを求める気分がこの高評価につながっているのだろう。