5 映画 銀幕に酔う

米映画『アバター』

3時間の超SF特撮 異相感が親しみへと化身

 (ジェームズ・キャメロン監督、公開2009年12月、MOVIX三好)

 3Dによる超SF大作。テーマはわれらが宮崎駿の『天空の城ラピュタ』や『風の谷のナオシカ』を思わせる。映像的なスペクタクルやダイナミズム、展開の速さはジョン・ウーの『レッドクリフ』を想起させた。

 そうした融合もさることながら、ストーリーの作り方も、プロットの周到さも見事としか言いようがない。

 3時間という長編なのに飽きずに最後まで引き込まれていく。アバターやパドラ星住人たちの顔の異相感は少しずつ慣れて、最後は親しみさえ感じる過程は、あのスピルバーグの『E.T.』を感じさせてくれた。

 アバター(AVATAR)のもとの意味は、辞書で引くと「(ヒンズー教の) 神の権化、化身」という意味と「(思想・性質などの)権化、(主義などに)凝り固まったひと」とある。どちらもテーマなのだろう。

 それにしてもキャメロン監督、ブラボーだ。あの『タイタニック』『ターミネーター』に並ぶ代表作になるのだろう。

 いつものMOVIX三好で妻と二女の3人で観た。早めに予約したのでI席の13、14、15番。特撮3Dだからど真ん中を選んだ。正解であった。

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