スープさえ作れればなんとかなる
(瀧本智行監督、2010年10月)
いい意味で、天然ぼけのような主演女優の味がすべてだろう。
主人公の女性(坂井真紀)は、母はすでに死去し父親は名前もわからない。一緒に暮らしている叔母(母の妹、加賀まりこ)の口ぐせは「スープさえ作れればなんとかなる」だった。
そこに、おばさんは恋をして家を出ていき、変なおじさん(藤竜也)と若者(西島隆弘)との同居が始まり、物語が展開していく。3人の唯一の共通点がスープ好きということで、タイトルにもなっている。
ぼくはそれなりに楽しむことができた。ぼくにとってはやはり、料理ものは、音楽ものと同様、当たり外れが少ない気がする。
ただ最後でもう一度だけ「スープの力」を見たかった。でもそれだと、金沢の中華料理店が舞台で、藤竜也がコックで出た『しあわせのかおり』(2008年10月)と一緒になってしまったかもしれない。