1 ゴルフ 白球と戯れる

永井淳『リンクスランドより』

なんとあのポルトラッシュが出てきた!

 (東京書籍、2004年8月)

 文化部に届いた寄贈本の「放出市」の中から見つけた。ゴルフ大好き、リンクス巡りにあこがれるぼくとしては、まさに拾いものの一冊だった。

 登場するコースはたくさんあるけれど、嬉しかったのはロイヤル・ポルトラッシュが出てきたことだった。北アイルランドにあるリンクスの名門コースだ。この本によれば―

  • アイルランドで唯一、過去に全英オープンが開かれた。1951年だ。
  • 14番パー3はその名も「カラミティ」(災厄)。213ヤード、右半分が深くえぐれた崖になっている。
  • フェアウェイがない。長い草に覆われた砂丘群と点在するグリーン

 忘れもしない、あれは1989年10月のことだった。ぼくは北アイルランド開発庁(IDB)の招きでベルファストをひとりで訪れ、日本を含む海外からの企業誘致の現状を取材する機会に恵まれた。週末にはゴルフが入っていて、ここがコースだった。ぼくは日本でゴルフを始めてまだ3年ほどしかたっておらず、スコアも100を切れるかどうかだった。

(▲冒頭の地図)

 実際にプレーが始まると、名古屋周辺のゴルフ場とはまったく異次元のコースだった。強くて重い風が海から吹きつけてくるし、フェアウェイはうねっていて細い。ラフは日本では経験したことがない深さで、手も足も出ない。いくつたたいたのか、記憶にない。アンカウンタブル、数えられなかったような気がする。

  しかもパートナーは現地クラブのチャンピオンクラスの2人だった。英語を話しながらの横文字プレーとなり、それにも非常に疲れた。

 問題の「カラミティ」(213ヤードパー3)は、ティーショットだけを覚えている。スプーンで打った球は右へスライスし、崖の途中に飛び込んだ。ボールは現地キャディーがなんとか見つけてくれたが、次のショットでぼくはうまくグリーン方向へ出せたのかどうか、どうしても思い出せない。

 帰りにゴルフショップで買ったセーターは今もぼくの宝物である。そのデザインも素材も極上品だ。お正月に着ると、あの荒涼たるコースを思い出す。

▲1989年にロイヤルポートラッシュで買ったセーター

 この難コースを永井氏は91、90で回ったという。ベストは79とか。気の合う仲間たちリンクス巡りとは、うらやましい限りだ。ぼくも行きたい。

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