5 映画 銀幕に酔う

邦画『The焼肉ムービー プルコギ』

人情味ある眼差し 田村高廣が絶品 

 (グ・スーヨン監督、2007年公開、DVD)

 名鉄タクシーの車内CMで観た予告編が気になつていた。予告編では想像しなかった深さ、斬新さがあって、楽しめた。

 なんといっても田村高廣が絶品である。職人気質、人情味、若い世代へのやさしいまなざし…。そんな懐かしく、心恋しい人間像を存分に画面ににじませていた。

 北か南か、冒頭での田舎の母子のシーンがこの映画の骨格を示している。その兄弟がその後、日本での焼肉チェーン経営者の養子と、ホルモン焼き店手伝いになるまでの経過はよくわからないけれど、そんな空白も、焼肉対決という「装置」の前ではまあいいかと思える。

 もうひとり好演の役者がいた。桃井かおり。クセのある焼肉チェーン経営者をややオーバーな演技で押し通した。まったく別の世界の映画『武士の一分』で口うるさいおばの役を同じノリでやっていたことを思い出す。

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