5 映画 銀幕に酔う

邦画『さよなら渓谷』

想像するしかない関係 これも男と女か

 (大森立嗣監督、公開2013年6月、DVD)

 原作も読んでいないし、新聞の映画評も記憶がない。だけど昨年のキネ旬ベストテンに入っていた。題名からは牧歌的な内容を予想していたけれど、それは完全に間違っていた。

 大学時代に野球部のエースだった男と、陰のある女のストーリー。男は野球部の仲間とレイプ事件を起こして退部になった過去があり、一緒に暮らす女は実はレイプの被害者という、かなりレアな設定である。

 一緒に暮らす男女とレイプ事件の記憶が”同居”する。女がプイと出て行ってしまうラストに男が言う次の言葉がテーマか。

「幸せになってしまいそうだから、不幸になろうと暮らし始めたのに…」。

 ぼくにはただ想像するしかない世界である。それでも、男と女の間にはどんな関係だって成り立ちうるのだろう、と考えている自分がいた。

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