1 ゴルフ 白球と戯れる

佐藤拓宋『定年後はゴルフでシングルの腕前をめざそう』(再読)

理系教授が一発奮起 米西海岸のスクールへ

(亜紀書房、初刊は2000年)

 この本もバンコクから2001年に戻ってしばらくして、50代に入ったころに読んだ本だ。じぶんの10年後のことを考えていたのだ。

 15年か16年も前だから細かいところは忘れていたけれど、この本に限ってはなぜか、アプローチについて留学先のゴルフスクールの先生がやたらと「アクセレレイト、アクセレレイト(accelerate)」と声を飛ばす、というくだりをはっきりと覚えていた。

 今回読み直してみると、それは195ページに出てくる。なぜそこだけをよく覚えていたのかは、はわからない。しかしその後のアプローチの練習では、いつも頭の中で、ハンドファーストのままアクセレレイト(加速度をつけて)、と唱えてきたからだろう。それがぼくには効果があるという認識があるから覚えているように思う。

 東工大の教授を60歳で辞めた理系のおじさんが、一発奮起して米西海岸のゴルフスクールに入学する話だ。教授から生徒への大転身である。当時はスコア110前後のアベレージゴルファーだったそうだ。それが5回の留学を繰り返して、米公認ハンディ7.0になるサクセスストーリーだ。

 60歳の大学教授がどうしてそこまでゴルフに賭けてみる気になったのだろう。故郷の広島県三次にある実家で体験した親族ゴルフがきっかけとあるけれど、留学までする理由になるとは思いにくい。テニスを長くやっていたともあるから、余計になぜゴルフなのかとも思う。

 なんとなくだけれど、想像するのは理系の血だ。『定年後はイギリスでリンクスゴルフを愉しもう』の山口信吾氏も工学部建築学科か大手建設会社というばりばりの理系である。

 ぼくは新聞記者32年だけど、DNA分類なら理系だろう。ゴルフは止まっている球をひとりで打ち、打球は物理の原理で飛んでいく。スコアは数字そのものだ。ハンディの「シングル」も数字である。テニスにはそうしたわかりやすい数字はない。そのあたりが理系の血をくすぐるのではないだろうか。

 妻の森ミドリさんのあとがきも異彩を放っていて、面白い。

 類は類を呼ぶという。僕も僕なりの目標をもって続こう。ぼくの夢は「リンクス巡礼」「グランドシニア全日本挑戦」「エージシュート」。リタイアしたら、体験記の文章と写真をネットのブログサイトに放り込みながら、夢を追ってみたい。

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