若き日の大言壮語 その気分よくわかる
(マガジンハウス、1993年8月)
読み直しである。何年ぶりになるのだろう。1993年10月の3刷を持っているので、最初に読んだのは1998年にバンコク支局へ赴任する前か、2001年にバンコクから日本にもどってからか。おそらくバンコクから戻って東名古屋クラブに入会する前後だろう。社会部デスクに戻り、私生活では日本でゴルフを真剣にやり直そうとし始めていたころだろう。
そういえば当時、同僚や後輩との飲み会で「俺はゴルフを極めてシニアツアーに参戦する」と吹聴していたことを思い出す。当時49歳。男子プロのシニアツアーは50歳から参加できることを意識していた。なんと、この本の中で筆者が書いているのと同じだ。
彼はゴルフを始めたころに、同じような大言壮語を吐いていたと白状している。ぼくはこの本を読んでそのことが頭に残り、酔っ払って気が大きくなったころに冗談半分、本気半分で吐露したに違いない。まだ気は若かったのだなあ。
高橋三千綱は1948年1月生まれとウィクペディアにある。僕より5つ上である。都内の高校を出た後、米サンフランシスコの州立大学英語学科に入り、3年途中まで在学した。その後、帰国して早稲田大学に入る。その経歴からして、英語というか、米語は完ぺきなのだろう。
この本の中でゴルファー三千綱は、米国の名門オーガスタや、英スコットランドのリンクスでのプレー体験談が出てくる。ともにラウンドした現地の米国人や英国人について、日本人と回ったような感覚で、彼らの例歴や彼らとの会話がリアルに描写されている。
もちろん作家であり、別の著作『倶楽部チャンピオン物語』で示したようにゴルファー取材のコツも熟知しているからだと思うけど、下地に英語力があると思う。特に耳が完ぺきなのだろう。
もし僕がいまの夢である「エジンバラにステイして、スコットランドのリンクスを現地の人とめぐって、それをブログに綴る」を実現しようと思えば、英語の徹底的なブラッシュアップは不可欠になるだろう。