レトロな復元灯 「トンネル」抜けて「逆さ紅葉」へ
(東山植物園、11月16~26平日、19:30まで)
この東山公園の近くに住んで50年になるけれど、ライトアップされた紅葉を18日夜、初めて観ることができた。遊歩道沿いの「500mトンネル」、池に映る「逆さ紅葉」は期待以上の桃源郷だった。さらにことしは、1936年に建てられた国重要文化財「温室前館」に復元灯が灯された。改修工事が今春に終わって蘇った全面ガラスの名建築が、レトロな輝きを身にまとって水面に映っている。(写真はすべて団野撮影)
■85年ぶり化粧直し ガラス建築美と灯り
全面改修された温室前館。照明も復元灯に
温室と東山タワー、レトロとモダーン、差は53年
■500m遊歩道に紅葉トンネル
赤、橙、黄、乳白…。60種200本の競演だ
■也有池 逆さ紅葉のリアル
紅葉とあずまや。水面の方がリアルだ
あずまや向かいも幻想的。満月が映える
■暗闇でみなマスク でも笑顔が見える
鮮やかな赤色に人だかり。ささやきも弾んでいた
■地下鉄からすぐ 市内NO1の紅葉スポット
このライトアップを見学した翌19日の中日新聞朝刊市民版に、東山動植物園の紅葉のライトアップの紹介記事が掲載されていた。土屋記者はその中で「市内随一の紅葉の名所として知られる」「地下鉄で行ける紅葉スポットとして親しまれており」と書いている。ぼくはなるほど、とひざを打った。
この地域でこの時期、紅葉とかライトアップというと香嵐渓を思い浮かべてきた。20年も前にマイカーで見に訪れたときに夜の帰りの渋滞に閉口した記憶があり、その後は二の足を踏んでいた。
たしかに東山動物園は地下鉄「東山公園駅」の真ん前にある。さらにいえば、植物園のライトアップだけ観るなら「星が丘駅」下車が便利だろう。星が丘駅で降りて、どんどんおしゃれになっている星丘テラスを抜けていけば丘の上に「星が丘門」があり、すぐにライトアップ遊歩道に入ることができる。
■7日間のみ 予約制だけど高齢者は不要
昨年はコロナ禍で延期になり、2年ぶりのライトアップだそうだ。期間はとても短い。11月16日から26日までの平日のみ。22日の月曜日は休園日で23日は祝日だから、7日間しかない。毎年観る機会が訪れるとはいえ、早春の梅といい、春の桜といい、日本の「旬」のなんと短いことかー。だから、いとしい。
さらに今年の入場は予約制である。「密」を避ける目的だろう。でも幸い、ネットと電話で確認したら、名古屋市在住の65歳以上は予約がいらない。一緒に行った妻もぼくも該当者なので、18時半に植物園門に行って、窓口で敬老パスを見せただけ。列もなく、ひとり100円を払ったらすぐに入場できた。入るとすぐ、お化粧直しした重文のガラス建築とレトロ照明が出迎えてくれた。