7 催事 肌感で楽しむ

展覧会「白洲正子とその世界観」

(名古屋駅・JR高島屋)

▲チケットの表紙

 「白洲」といえば、ロマンスグレーとカントリージェントルマンの次郎のことだと思っていた。しかしこの「正子展」を観て仰天した。この女性、かっこいい。素敵すぎる。生まれは明治43年。なんとぼくの父と同じとは。東京の、そして明治の名家でしか生まれえない、まぶしい人生である。

 ポスターやチケットに使われている写真は50歳前後と思われる。なんと若々しく、正統的な美人であることか。いまの町田市の田舎屋敷に住み、「美」の探求と執筆にエネルギーを注いだ。そのスローライフぶり、老後の生き方の華麗さによって、いま見直されているのだろう。

 正子も素敵だが、改めて知る次郎のカッコよさも時代を飛び越えている。英国仕込みのスノビズムと切り捨てるには、あまりに上質な洗練さがある。欧米に傾倒した明治大正のインテリの中で、その果実をライフスタイルの中で実践してみせた最良の人物だろう。

▲チケット裏には次郎の写真

 きょうの展覧会には、次郎のゴルフ道具やポロの服も展示してあり、より親しみを感じた。出口に並んでいた関連本をぱらぱらとめくっていたら、次郎がゴルフをしている写真もあった。そのスイングも美しい。

 トヨタ製ソアラを注文した時の手紙にもまいった。自分の気持ちに正直でシビア。彼を評する言葉としてよくきく「プリンシプル」を感じる。これって、日本人がもっとも習得しがたい素養なのだろう。

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