6 報道 新聞の先は

河内孝『新聞社 破綻したビジネスモデル』

元常務の警告 でも編集に届くか懸念

 (新潮新書、2007年3月)

 昨年まで毎日新聞社の常務だった新聞人の「警告の書」である。もとはワシントン特派員や外信部長、編集局次長までされた「ペンの人」だ。それが経営企画室長を経て役員になり、販売立て直しの改革案をまとめたものの社内合意が得られず、そのまま退任したとあとがきにある。

 あとがきには尊敬する人物として内藤国夫が出てくるのをみても、筆者は「ビジネス」をしたくて毎日にいたのではない。何の因果か、経営の世界への関与を余儀なくされて、その深みにはまっていった、という風に読める。

 確かに販売店の惨状、メディア不信、ITに対する取り組みの遅れなどの業界の流れをみると、新聞社は「ビジネスモデル」としてはもはや成り立っていない。新聞はいずれなくなる、との見立てが出ても仕方ないのが現状だろう。

 それでも読み終えて思う。このタイトルはほとんどの新聞編集人には届かない。新聞「社」はビジネスかもしれないが、新聞「紙面」はビジネスではないと思っているからだ。編集記者はビジネスとは逆のところで仕事すべきと思って入社してきたのが大半で、いまでもそう信じている編集人は多いはずだ。

 驚いたのは、生き残り策として「ブロック紙+弱小”全国紙”」という合併・統合を提案し、具体案には「中日+毎日+産経」だと中日の名前を挙げていることだ。ほかのところで展開している理詰めの分析や理想像からすると、描く世界が小さすぎないだろうか。

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