5 映画 銀幕に酔う

米英仏合作『ヒューゴの不思議な発明』

鉄道駅が舞台 少年と機械 最高ファンタジー

 (マーティン・スコセッシ監督、公開2012年3月、DVD)

 いやあ、驚いたぞ。最高の面白さ、楽しさ。映画のプロが撮った本物のファンタジーである。とにかく冒頭のシーンが圧巻だ。この映画のエッセンスがあの5分にすべて詰め込まれている。

 特撮による臨場感、画面のスペクタクルな変化、高低と左右へのカメラの動き…。主人公である少年の自然で生き生きとした演技もすごい。

 スコセッシ監督の作品は『タクシードライバー』(1976年)や『アビエイター』(2004年)など何本か観てきたが、描いたのは大人の世界ばかりだった。この作品は少年と機械人形の不思議な物語。映画への思い入れの深さに脱帽した。

 舞台になっている駅は、確かモンパルナス。この映画全体からは『オペラ座の怪人』との類似を想起するけれど、これはぼくの観る目が表面的すぎるのか、スコセッシ監督にすれば当然意識してのことなのだろうか。

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