1 ゴルフ 白球と戯れる

10度目も全国は遠かった 痛恨! OBを3発も…PGSグランド中部

幸運の繰り上げ 2日であと4打 

 (2025年4月23・24日、森林公園ゴルフ場)

 日本パブリックゴルフ協会(PGS)が主催し、70歳以上が競う日本グランドシニア選手権の中部大会が23日と24日、名古屋市の森林公園ゴルフ場で行われた。予選で「補欠」だったぼくは欠場者が出て繰り上げ出場できたものの、その幸運を生かせず63位タイに終わり、10度目の中部挑戦も”全国切符”には届かなかった。切符との差は2日間で4打。愚かなOBを3発も重ねてしまったのが悔やまれる。

 <写真① 2日目朝のパット練習場/下は大会の看板(合成)>

■予選は「補欠1」 繰り上げで救済

<写真② 3月27日予選のぼくの順位>

 予選は東海・北陸の6会場で開かれ、ぼくは3月27日、森林公園ゴルフ場に出て22位だった。予選通過枠は上位21人までで、ぼくは「補欠1」だった(写真②)。グリーン上での「誤所からのプレー 2罰打」を悔やむ敗退記を書いた。

 ところが事務局から4月9日に連絡があり、同時開催の女子の大会に1組空きが出たので、繰り上げ救済で中部大会に出られることになった。神様は見捨てていなかったー。拾われた身だから気負いなしに臨めるー。

■<1日目> 大雨のなかスタート

 大会1日目の23日(水)は、未明から時間5mmほどの強い雨が降っていた。ぼくの組のスタートは西コース午前9時で、雨は弱まってはいたものの、午前はずっと傘が必要だった(写真③)。

 <写真③ ひとつ前の組のスタート風景>

 前半アウトのぼくのプレーは最悪だった。3番PAR5のドライバーが右へOBになった。6番PAR5でも第2打の3番ウッドを左にひっかけてOBに。6番でつぶやいた。「雨のせいじゃない」「未熟なだけ」「はや終わっちまった…」。

 <▲1日目の前半アウトのスコア=GDOのマイサイトから(以下同)>

 昼食をとりながら考えた。まわりは70歳をすぎたじいちゃんばかり。「みな似たもの同士、プレーを楽しもう」。そう思うと後半は、スコアがまとまり出した。4ボギーの40。目標だった30台への手ごたえもつかんでいた。

 1日目は「48+40=88」、出場103人のうち79位だった。全国大会(5月末、神戸)に進めるのは上位の40人で、1日目の40番目は「83」だった。その差は5打。2日目に70台を出せば可能性はあるかもしれない―。かすかな希望が胸にともった。

■<2日目> 雲ひとつない好天

 2日目の24日(木)は好天になった。雲ひとつない(写真④)。お化けスコアを出せる可能性はある―。楽天虫がうごめきだしていた。

 <写真④ 2日目、ぼくらのひとつ前の組のスタート風景>

 そして、3番PAR5を迎えた。前日に痛恨のOBを打っていたのに、2日目もぼくの球はまったく同じ軌道を描いて飛び出し、カート道で跳ねて林に消えていった。このあたりは別項で詳しく書こう。

 しかし、その後は悪くてもボギーでこらえて、8番ではバーディーもきた。OBを打ったのに前半はなんとか「41」でおさまった。

 昼食を取りながら考えた。「後半を2オーバー38」にまとめれば70代台になる―。失うものなんてない、攻めていこう―。

<写真⑤ クラブハウスの表示>

 でも、そう簡単にはいかない。ショットは安定したのに、パットが打てなくなった。2.5mほどのバーディーバットと、1m強のパーパットを2度ずつ外した。

 前日が雨で、この日は強い日ざしと25度の陽気になった。グリーンは硬いまま、芝が伸びてスピードが落ちてきたとは感じていた。でも「10.1」(写真⑤)が頭に残り、ジャストタッチ狙いにしか手が動かない。球はラインに乗っても、カップ手前で減速するか、届いても寸前で右か左に切れてしまった。

■63位 「全国」まで4打及ばず

 終わってみると2日間のスコアは「88+82=170」で63位タイだった。全国切符を得た40番目の選手は「166」。その差は2日間で4打だった。

  <▲ 掲示板には「全国大会の出場枠は40人」>

 タラレバならどの選手にもあるはずだ。「あのパットさえ入ってたら」「あのショットがあと30cm飛んでればバンカーに入らずべたピンだったはず」などなど。結果がすべてともわかっている。それでも、あのOBは防げたはず、とささやく自分がいる。

■2日ともOB 悪夢の3番 恐れるほど右へ

 2日ともティーショットがOBになった悪夢の3番PAR5は、右が危険なのはよくわかっていた。練習と予選でラウンドしていたからだ。

<▲写真⑥ (左)カート道の右下にOBライン(右)ぼくの球は2日ともバンカーわきカート道で右へ跳ねた=楽天GORAサイトから>

<写真⑦コース図==楽天GORAサイトから>

 フェアウェー右にカート道があり、さらにその右は強い下り斜面になっている。斜面下の樹木に沿いOBラインがある。球がカート道を越えるとほとんどがOBになる(写真⑥⑦)。

 1日目のぼくはティーの右端にスタンスを取り、フェアウェー左端を狙った。しかし切り返しが早すぎたのだろう、球は狙いより右に出て、しかもフェイドしながらカート道で跳ね、斜面に消えた。直前の2番グリーンで3パットボギーを打った悔いを引きずっていたのと、右への恐怖がリズムを早くしてしまった、といま思う。

 2日目はミスを繰り返すまいと強く言いきかせながら、やはり右端にスタンスをとり、アドレスには時間をかけずに始動した。しかし球は、前日とほぼ同じ軌道で飛んでいき、またもカート道で大きく跳ねて林に消えた。なんと、暫定球もほぼ同じ方向にいき、バンカーに入っていて連続OBだけはまぬがれた。

 右を怖がるあまり、右腰のねじりと左肩の回しが足らなかった。左腰のねじり戻しも早かった、といま悔いている。

 「なにやってんだ、おれは…」。この時の情けなさ、ゴルファーなら、わかるすぎるくらいわかってくれるだろう。

■中部の壁 4打の重み

 ぼくは2020年に退職し「『ブ』ロゴルファー」を自称するようになってから、積極的に公式試合に参加してきた。当初は65歳以上のミッドシニアだった。70歳になるとグランドシニアの部も加わった。クラブ競技にはない緊張感がある。体験を書く「アフターゴルフの愉しみ」も大きい。

 県レベルの予選を通過して中部大会に出場できたのは、今回が10度目だった。その結果を一覧表にしてみた。

 全国切符まで2日で4打足りなかった試合は今回が2試合目になった。最初は2023年の能登カントリー、CGAグランドだった。この4打がいかに重いかは知っている。縮めるには、さらなる努力と、神様のほほ笑みが必要なことも―。