ゴルフ大好き新聞人 うらやましい著作
(岩波アクティブ新書、2003年)
ゴルフ本読み直しの第2弾で、筆者は朝日新聞の記者である。第1弾の山口信吾氏3部作と比べると、ゴルフ人生を考え直す直接的なきっかけにはならなかったけれど、同じ「ゴルフ大好き新聞人」として書いてあることはわかりすぎるほどわかり、筆者とぼくの新聞社人生の違いを考えさせられた。
植竹氏はぼくより年が八つ上である。編集局の支局長時代にゴルフにはまった。編集幹部に上っていくラインから外れてからは、書く立場に近いところに戻って「ゴルフを書き」だした。オンラインや週刊朝日に観戦記やエッセイを発表できるようになったらしい。実にうらやましい。
この本ではゴルフにまつわるエッセイを集めている。コース戦略からプロのゲームの面白さ、アマチュアゴルファーの目線、ルールの話…。それなりに整理はされているものの、その道ひとすじのプロの水準に達しているとは思えない。、その気になれば、ぼくでも書けたのかもしれない。
でもしかし、ぼくはその気になることはなかった。書くことへの強いこだわりがなかったからだ。だから編集局時代に建築もゴルフも、自分で書ける世界に引き寄せようとしなかったし、できなかった。
書くことに限らず、強いこだわりのなさは、高校1年の夏予選前に野球部を辞めたことにつながり、就職時に建築の王道より新聞を選ぶ道につながった。そして新聞社では定年前に不動産担当への転身を提示されて受け入れた。
そんなぼくが、これから本当にゴルフと真正面に向き合っていけるだろうか。つかんで離さないエネルギーが湧いてくるだろうか。