醜聞なんて些末 異次元のインパクト
(ケニー・オルテガ監督、公開2009年10月)
あんなハイレベルのリハーサルをこなしながら、直後に死亡したとは信じられない。薬漬けでろくに食べていなかったというのは本当なのだろうか。
マイケルの動き、歌の見事さにあらためて感服。収録された音もリハーサルとは思えないほどクリアで力強いのにびっくりした。本来なら本番のロンドン公演の様子も取り込んで、ドキュメンタリー映画にする予定で準備が進んでいたのだろう。
リハーサルの合間のマイケルとスタッフの掛け合いにも好感を持った。傲慢さや得意然とした風情はない。自然でやさしく、かつ、オーラはしっかり発している。整形手術や肌の白さの騒動なんて些末なことだと思わせる異次元インパクトが映像と音にあった。
51歳。あのビートと声、メロディ、ダンスは伝説となって永遠に語り継がれ、カバーされていくのだろう。
DVDでなくて劇場で観てよかった。妻と行ったMOVIX三好ではエンディングロールが流れると、パラパラではあったが拍手が上がった。映画では初めての体験だった。海外や東京の上映ではスタンディングオベーションも起きている、というニュースもうなづける。