手を抜かずに32曲 遊び心に茶目っ気も
(豊田スタジアム)
32曲を3時間かけて聴かせてくれた。すごい、まいりました、としかいいようのないパフォーマンスとエンターティナーぶりだった。
あれだけの名曲とヒット曲を持ちながら、それをおごることなく、手を抜かずに全力で歌い、盛り上げる力とエネルギー。桑田佳祐という稀代のシンガーソングライター兼バンドリーダーが持つステージ力、サービス精神、遊び心、ぶれないけど柔らかい心といったものに敬意さえ抱いた。
ぼくらの席は、ステージに向かい右側、1階スタンドの最前列だった。前の人を気にせずに済みステージもよく見えた。音はイマイチだけど、仮にスタンド最上段であっても、大型ビジョンを通して雰囲気はしっかり味わえるだろう。花火ありバルーンありと仕掛けもたっぷりだった。
当日は妻とその友人女性の3人。開演2時間前に豊田駅で待ち合わせた。行きの名鉄電車から満員。駅からスタジアムの道も人の波で埋まり、5万人という人数のすごさと、サザン人気の熱量に開演前から圧倒された。
スタンドで近くの客を眺めてみると、ざっと半分が40代、30代と50代が2割ずつで、あとは20代とぼくらの60代に見えた。6割が女性だった。
演奏の途中に「R18解禁」とビジョンに出た後、男女のシンボルが舞台に登場する場面もあった。桑田よここまでやるか、という気分にもなったけれど、この茶目っ気、面白がり、下ネタ好きがあってのサザンであり、桑田なのだろう。美しいバラードとも不可分なのだ。チケット代8800円は納得した。